っていうよくある疑問にお答えします。
イギリスの大学院で専門的に勉強してきた筆者がレベル別にオススメ本を厳選しました。
どのレベルのものも、「概要→深い知識→治療」って感じで並べてあるので、
上から読んでいけば、愛着の知識からその治療法まで、かなり深い知識を得られるんじゃないかと思います!

自分のレベルに合わせて選んでみてください!
目次
初心者向け(独学始めレベル)
この章では、
- 愛着障害を学び始めたばかり
- なんか聞いたことあるけど、自分に当てはまりそう
ってレベル感の方におすすめの書籍を紹介します。
『愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ 』
精神科医の岡田尊司先生が書いた本です。「愛着障害」に全く知識がない方でも、簡単にわかる文章で書かれています。
この本は、
- 愛着障害って最近初めて知った
- アダルトチルドレンって言葉あるらしいけど、自分なんじゃないかな??
っていう初心者の方におすすめの本です。
「愛着障害」の最初のとっかかりとしてオススメの本です。
『毒になる親』
「愛着障害」の原因となることが多い、「親」にフォーカスを置いた本になります。
もうすでに愛着障害のことは少し知っており、「自分の親って毒親だったのかな?」、「毒親って具体的にどんな感じなの?」って方におすすめの本です。
この本では大体二つのことを学べるかと思います。
- 自分の親は毒親だったのか
- 今精神的に悩んでいることは自分のせいでないことが多い
『自分を嫌うな』
「自分を嫌う」という愛着障害の特徴にフォーカスを置いた本です。
著者の方は心理学者ではないので、愛着はもちろん心理学という言葉すら出てきませんが、心理学的な分析がかなり豊富です。
この本はこういう方にオススメです。
- 自分のことを好きになれずにつらい人
- 他人と自分を比べてしまう人
こういった悩みにどのように考えていったらいいのか、具体的な方法もたくさん書いてあります。
中級者向け(独学極めた方〜大学学部レベル)
この章では、少し難しめの本を紹介していきます。
- 独学してるけど一般向けの本は読み切ってしまった感がある
- 大学で専門教育を受けている、もしくは受ける予定
くらいの方に紹介をしていきます。
このくらいになってくると一般向けのものよりも、値段も相応になってきますが、その分深い知識を付けられますよ!
『ボウルビイ 母子関係入門』
愛着理論の歴史をまとめた本です。
愛着理論の祖である、ボウルビイ先生っていう精神科医が書いた本を翻訳したものです。
この本はこのような方にオススメです。
- 愛着障害の知識は大体ついてきた方で、愛着の学術的な勉強に興味がある方
- 心理学の専門教育を受けている方
- 愛着の歴史を知ってみたい方
少し難解な本ですが、愛着の歴史を知っておけば、他の人からも一歩抜きんでた存在になれますよ!
『アタッチメント :生涯にわたる絆』
愛着の知識をかなり深く解説した本になります。
脳科学や生物学等といった話も入ってきて、愛着問題は環境だけが全てではないってことも学ぶことができます。
この本は、
- 愛着の知識は大体ついてきた方で、愛着に対する知識をもっと深めたい方
- 心理学の専門知識を勉強中の方
正直、この本よりも愛着に関して詳しく書いてある日本語の本は見たことがありません。
修士号を持っている筆者のオススメです!
愛着アプローチ 医学モデルを超える新しい回復法
愛着のことを詳しく紹介しつつも、後半は「愛着障害の治療」にフォーカスを当てた本です。
この本は、当事者側と治療者側、二つの方向性から解説をしています。
そのため、
- 愛着障害で悩んでいる方
- 周りの方でそうではないのかという方がいる。
- 心理カウンセラーの方
にオススメの本です。
上級者向け(大学院〜専門職レベル)
ここから先は、一般の方ではなく
- 心理専門職の方
- 精神医学に携わる方
- 臨床、発達心理学専攻の大学院生
の方に向けた本になります。
ご存知の通り、心理学の領域の最新研究というのは、基本的に英語で発表されており、プロレベルの深い知識をつけるためには英語での情報収集が欠かせません。
そのため、この章では日本語訳がないものも含めた、洋書を主に紹介します。
イギリスの大学院で愛着理論を専攻してきた身として、自信をもって紹介します!
『Raising Parents』
日本や世界で主流になっている、「安定型」や「不安型」といったモデル(ABCDモデル)とは別モデルである、DMMモデルの入門書です。
DMMモデルとは、「安定型」、「不安型」といった形で分類してカテゴライズするのではなく、愛着行動をSurvival strategy(生存戦略)として考える新たなモデルです。
こういう方におすすめの本です。
- すでに心理師、カウンセラーといった心理専門職として働いている方
- 愛着理論、愛着障害の知識をトップレベルまで極めたい方
本自体はめちゃくちゃ高いですが、DMMモデルを知っている日本人は正直ほとんどいません。
この金額だけで、周りの方とかなり差別化できるので、こんなに良い投資はないかと思います。
『Assessing Adult Attachment: A Dynamic-Maturational Approach to Discourse Analysis』
「The raising Parents」で提唱されているDMM理論をベースにした、成人愛着面接を解説した本です。
成人愛着はAAI(Adult Attachment Interview)と呼ばれていますが、そのトレーニングを受ける際のバイブルです。
イギリスの大学院でもボロボロになるくらい使っていました。
- 成人(18歳以上くらい)を相手にしている心理士の方
- 成人の愛着行動に興味のある方
といった方にオススメの本です!
『The Neuroscience of Human Relationships: Attachment and the Developing Social Brain』
ポリベーガル理論をベースに、愛着や発達心理を脳科学、生理現象から解説した本になります。
筆者が大学院で研究をしていた際に必読書と指定されていた本です。
闘争・逃走反応(Fight or Flight response)や耐性の窓(Windonw of tolerance)といった、臨床心理学で重要になる理論を脳科学や神経生理学の点から、より深く理解することが出来るかと思います。
- トラウマ治療を主に行っている心理師の方
- 脳科学や神経生理学に興味のある方
といった方に有益になるかと思います。
まとめ
以上、レベル別にオススメ本をまとめてみました。
どのレベルのどの本もオススメ出来るものですので、ぜひ読んでみてください!
愛着障害になんかおすすめの本ないかな?